顔面神経麻痺（ベル麻痺・ラムゼイハント症候群）

顔面神経麻痺は「眼が閉じにくい」、「水が口からこぼれる」、「口の動きが悪くなる」など、顔の筋肉が動きづらくなる症状です。
年間、人口10万人あたり50人ほど発症するといわれ、2割以上に後遺症が残ります。

原因の多くは交通事故などの外傷を除き、ほとんどがウィルス性からくる神経麻痺です。朝起きたら顔が動かない、鏡を見たら顔が曲がっていた、というように急に生じる場合が多いのが特徴です。

顔面神経麻痺には大きくわけて「ベル麻痺」「ハント症候群」と２種類あります。

中でも最も多いのは、単純ヘルペスウイルスが関与する「ベル麻痺」で約60%以上を占めています。
ほうれい線の溝が無くなり，口角が下がってしまうため、食物（特に液体）が口から漏れるという訴えが多く聞かれます。

次に多いのは水痘・帯状疱疹ウイルスが関与する「 ハント症候群」で約20％を占めています。耳の痛みや突然顔が動かしづらくなる症状が多く出ます。

疲れやストレスで免疫が落ちると、おとなしくしていたウイルスが暴れだし神経を障害します。顔面神経麻痺はウイルスが顔の神経を襲ってくる病気と言えます。
いずれも、適切な初期治療を早期に行うことにより、8割の方がほぼ元の状態に戻る症状です。